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INTERVIEW 毎日の人も、週イチの人も、地味弁を知れば、さらに楽しめる!グラフィックデザイナーを経て料理家の道へ進んだワタナベマキさん。そのきっかけとなったのが、実はお弁当でした。今は中学生の息子さんのためにお弁当を作る日々とか。そんなマキさんだからこそ、地味弁にも思うところがあるようで…。

PROFILE

ワタナベマキ

料理家。グラフィックデザイナー時代に、事務所のスタッフのために作ったお弁当が好評で、もともと好きだった料理の道へ。ケータリングの仕事を始め、その後、独立。母や祖母から伝えられた手料理に、モダンな感性を取り入れた温かみのあるレシピが人気を博し、雑誌やテレビなど活躍の場を広げる。日々食べるものをおいしく丁寧に作るお弁当や朝ごはんなど、毎日の料理の参考になる著書も多数出版。東京・世田谷にてスタイリストの佐々木カナコさんとともに、食まわりの店「STOCK THE PANTRY(ストック ザ パントリー)」をオープン。
https://www.instagram.com/maki_watanabe

品数を抑えてご飯が進む!地味弁は食べ盛りにも◎

毎日、どのようにしてお弁当の献立を考えていますか?

前の晩から大体の内容は決めておきますね。

「今日は鶏肉だったから、明日は豚肉にしよう」とか、夕食で使ったいんげんを翌日のお弁当のために3、4本残しておくとか。朝、一からメニューを考えるのは大変です。

子どものお弁当なので、残さず食べてくれたら、それでOK(笑)。子どもの好きなおかずや好きな味付けのものを詰めています。

「好きなものばっかり?」と言われそうですが、お弁当に完璧な栄養バランスは求めていないんです。もちろん、野菜とたんぱく質はちゃんと入れますが、栄養については朝ごはんや夕ごはんとトータルで考えればよいですから。

というのも、学校での食事時間が20分しかないので、食べ盛りの息子にとってはボリュームがあって、食べやすいものが一番。品数を抑えて、ご飯が進んで、満足できる。そういう意味で、地味弁はぴったりなんです。

普段は料理をきれいに、素敵に見せるという方向をめざしていますが、毎日のことだし、ここは地味弁でもいいかなと(笑)。

ちなみに、子どもの好きなメニューは自家製の梅干しを使ったおかず。梅照り焼きとか好きですね。

ときどき主人の分も一緒に作りますが、基本は同じおかず。ただ、七味をふったり、豆板醤で仕上げたりと、辛みをプラスすることで大人向けのお弁当に仕上げています。

お弁当作りのポイントは食べ飽きさせないこと

お弁当作りで気をつけていることはありますか?

「食べ飽きない、食べ飽きさせない」ということですね。お弁当って、ふたを開けた瞬間がすごく楽しいじゃないですか? 「わぁ!」ってわくわくして、食べてもらいたい。そんな仕掛けがあると、お弁当の時間は楽しくなるし、食べ飽きない。

地味弁っていうと“茶色”のイメージがありますが、なんの工夫もないと、本当にただの茶色いお弁当になっちゃう。でも、見た目のおいしさや開けたときの楽しさをどう作るか? これがお弁当にはとっても大事で、なかなか難しいところですね(苦笑)。

でも、今回の「あじのスパイスソテー」のように、意表をつくような魚のおかずがご飯にのっていると、「おおっ!」って思えるんじゃないかな。見た目が華やかじゃなくても、どこかに驚きがあれば、楽しんで食べてもらえるんじゃないかなと思いますね。

ほかに気をつけていることは、食感と歯ごたえです。粗く刻んだアーモンドを入れるとか、野菜はゆですぎないとか。

なぜこだわるかといえば、満腹度が全然違うから。やわらかいものばかりを食べていると、あまり噛まずにすらすらお腹に入ってしまい、今ひとつ満腹感が得られないんです。

お漬物でもいいと思います、パリパリとした歯ごたえのあるものが入っていると、しっかり噛んでお腹も満足します。

バリエーションと時短の工夫でお弁当作りも楽々

マキさんのように日々お弁当を作っている人へ、役立つコツを教えてください。

一つ目は、ちょっとしたことで、バリエーションを増やすことですね。たとえば、切り方を変えてみること。同じ食材でも、半月切りや短冊切りにしたり、ピーラーでそいだり。見た目も違うし、食感も異なります。

おかずの入れ方でも工夫できます。

たとえば今回の「牛肉とごぼうの梅煮」は、ごぼうをあえて大きく切り、牛肉と一緒に調理して、弁当箱にはそれぞれ分けて入れました。

ほら、2種類のおかずに見えるでしょ?

また、お弁当箱を3種類ぐらい用意しておくのもおすすめです。同じおかずを詰めても違う感覚で食べられます。

あとは、どうしても忙しい時間帯に作るものだから、時短を心がけることですね。同時進行できるメニューを組み合わせることで、一気に作れます。弱火にして放っている隣で1品作るという、主菜と副菜の組み合わせがいいですね。

その際、重宝するのがキッチンタイマー。手が離れるとつい火にかけているのを忘れてしまいますが、タイマーをかければ焦がさずに作れて、時短が叶います。主菜が手の込んだ火を使う料理なら、副菜は火を使わない手軽なものにするのもおすすめです。

大きなフライパンひとつで主菜と副菜を同時に加熱して、先に主菜を取り出し、残した副菜を別の味へ調えるというテクニックもアリですよ。